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シナリオ執筆 - つむがれゆく筋書き

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「自分で物語を作ってみたい!」
映画や小説、マンガやアニメが好きな方なら、そういう思いを持ったことがある人も、いらっしゃるのではないでしょうか。
でも、いざ筋書きを考えようとすると、何から始めたものか。
そもそも、自分の考えたアイデアは、ストーリーに落とし込めるものなのか。
色々考えてしまって、結局やめてしまった……そんな経験も、あるかもしれません。

しかし、諦めるのはまだ早いです!
あなたはまだ、シナリオを書くための基礎知識が足りていないだけかもしれません。
自分のアイデアは、具体的にどうすれば形にできるのか。
ここでは、広く応用が効くシナリオ・ライティングについて、お伝えしていきたいと思います。


この記事でわかること

  • シナリオの"型"
  • シナリオ全体の設計を知る
  • 物語の進ませ方
  • 文章に書き慣れるためには


シナリオライターへの第一歩 〜型を覚える〜

"シド・フィールドの脚本術"という本をご存知でしょうか。
シナリオ・ライティングをするなら必読書と言われていて、元々ハリウッド映画の脚本を書くための"型"が書かれています。
この本を読んだか読んでいないかで、シナリオの完成度に天と地ほどの差が出ると思います。
そもそも何の基礎知識もない状態で闇雲にあがくより、定番書を読んで知識を仕入れた状態で何かに取り組む方が遥かに効率はいいです。
シナリオ執筆の場合も、その例外ではありません。
他にも、"SAVE THE CATの法則"等の亜種本はありますが、僕はシド・フィールドの1巻だけで十分だと思っています。
SAVE THE CATの方はより細かいルールの下書いていく感じですが、シド・フィールドくらいざっくりしていた方が応用も効きやすいと感じています。
次のステップから、具体的な内容をサラッと説明していきます。
興味が湧いたら、書籍購入も検討してみて下さい。


シナリオ全体の設計

シド・フィールドは"三幕構成"という手法を用いています。
第一幕、第二幕、第三幕で分量は1:2:1になり、その構成を細分化して書いていきます。
ざっくり、第一幕の終わりにプロットポイントⅠ、第二幕の前半終わり(中間点)にミッドポイント、第二幕の後半終わりにプロットポイントⅡ、第三幕の終わりにエンディングという構成です。
その4つのまとまりごとに、それぞれ14枚の情報カードを用意し、シーンを組み立てていくというものです。
シーンの目的は2つあって、ストーリーを前に転がすことと、人物についての情報を明らかにしていくことです。
このどちらも無ければ、そのシーンは必要ないということになります。
他に厳格なルールは無く、この枠組みでストーリーラインを考えつつ、登場人物の設定も考えていきます。
まず"こんな感じの物語を作りたい"というところからスタートして、これらの枠組みに当てはめながら書いていくと、不思議と作りやすいです。


物語の進ませ方 〜話をどう転がせるか〜

物語全体の設計が終わったら、中身のシナリオを書いていきます。
「具体的にどう書けばいいか分からないなら、シーンのアクションを発端、中盤、結末に分ければよく、最初のアイデアが正解であることが多い」とシド・フィールドにはあります。
設計さえしっかりしていて、文章も書き慣れているなら、そう悩む場面でもないように思います。
前項の、シーンの目的2つに沿って書いていけばいいでしょう。
問題は、文章に書き慣れた状態にはどうやって持っていくかですが、以下にそのやり方を提案します。


文章に書き慣れるために

僕がいわゆる"文章力"をつけるために、やったら効果があったことを記します。

一番効果があったのは、プロに添削してもらうというものです。
僕の場合はシナリオを書いたわけではなく、大学受験の小論文の講座で、毎週添削してもらっていました。
文章を考えて組み立てる訓練には効果があって、一流のプロの下で手直ししてもらいながら書いていくと、ガンガンレベルが上がっていきます。
シナリオを学びたいという目的が最初からあるなら、そういったプロのシナリオライターが開いている講座に出向いてみるのもいいでしょう。

次に、日々の記録をつけるというものです。
パソコンなりタブレットなりで、自分の日々の活動記録をつけて所感も書いておく習慣をつけると、自然と文章を書くことに抵抗がなくなります。
キーボードのタッチタイピングは、これからシナリオを書いていく上で、マスターするのが必須と言えます。
何をするにしても便利なスキルなので、身につけることをお勧めします。
注意事項として、スマホで文章を書くのは、文構成を組み立てにくいので非推奨です。
できるだけしっかりした文章で書くと、シナリオを書くときにも同じ感覚で書けると思います。


おまけエピソード

シナリオを書くにあたって、何が発端になるかは分かりません。
例えば、今僕が制作しているノベルゲームの根底にあるアイデアは、小学生用の理科の参考書が起点となりました。
いい年をして小学生用の参考書かと思われるかもしれませんが、自分が苦手だったことを学び直して、それが即役に立つ可能性があるのが、シナリオ執筆の面白いところです。
西洋ファンタジー世界の物語を書きたいと思って世界史の勉強もしましたし、"学校のつまらない勉強"的なものも、シナリオの元ネタ探しで結構楽しく学習できたりするものです。
そういった気づきを与えてくれたのも、シナリオ執筆の良かったところです。
自分が今まで経験したことなら、なおさらシナリオ・ライティングの役に立ちますよ!


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