文化・芸術

ピアノ(キーボード) - 鍵盤遊戯

ピアノ(キーボード)画像

もしもピアノが弾けたなら……そんなフレーズを昔、耳にしました。
同じクラスの子が上手にピアノを弾く姿を見て、いいなと思った経験がある方も、多いのではないでしょうか。
今回はピアノ、それとキーボードについて、大人が趣味で始める現実的な視点でお伝えしていきたいと思います。


この記事でわかること

  • 大人のピアノ、どこまでできる?
  • キーボードという選択肢について
  • DTM(作曲)への応用と、そのメリット


大人になってからで上達するの?

大人になってからピアノが上達するかどうかですが、趣味として楽しめるレベルまでなら十分上達可能です。
超絶技巧的なピアノ曲をスラスラ弾きこなすのは、大人になってからだと少し厳しいかな、という感じです。
現実的には、簡単に弾ける割に聴き映えする曲などから練習して弾けるようになっていけば、趣味として楽しく続けられるでしょう。
歴が長くなるごとに、少しずつ難易度の高い曲にステップアップしていくというルートが考えられます。

例えば、"キャサリン・ロリン"辺りで検索して、聴いてみて下さい。
初心者向けで譜読みは比較的簡単な方なので、フィーリングが合ったら楽譜を買って練習してみるのをお勧めします。
ただ、ピアノ向きで、キーボードには少し向きません。
理由は、一般的な61鍵キーボードだと、音域が足りなくなってしまうためです。
これに限らず音域問題は、ピアノ曲では起こりがちな問題です。


キーボードという選択肢

ご家庭の音出し事情や設置場所の問題で、ピアノではなくキーボードをやりたいという方も、いらっしゃることと思います。
前述のように、61鍵キーボードを選択すると、ピアノ曲を弾くには音域が足りなくなるという問題が、往々にして起こります。
キーボードという選択をしたあなたは発想を転換して、コード弾きに目を向けるのがいいかと思います。
コード演奏をする分には、両手でも61鍵で十分足ります。
"歌本"という分厚い本を買うと、有名なヒットソングのコードが載っています。
これを練習して弾くというのも、思った以上に楽しかったりするんですよ!

"ピアノコードブック"的な本を買って、コードの押さえ方を覚えながら練習していきます。
コードの弾き方動画等を参考に、右手は"転回形"で中央のC(ド)を中心に弾いて、左手はルートを押さえるということを、まずは知識として知っておいて下さい。
最初はよく分からなくても、まずはコードというものに慣れるところから、そして練習しながら少しずつ覚えていけばいいのです。


次のステップへのご提案

鍵盤に習熟してきたら、好みではありますが、次のステップもあります。
パソコンを用いたDTM(作曲)です。
以下に、これまでやってきたことがいかに活用できるか、少し難しい内容ですがご紹介します。

まず、ピアノについて。
ピアノ曲をいくつも弾けるようになると、自然と運指に習熟します。
これはピアノはじめ鍵盤系の楽曲を作るのに、大きな武器となります。
ピアノ上級者は、DTMで作られたピアノ作品を聴いても、それが演奏可能かそうでないか、すぐに見抜いてきます。
人気楽器のピアノを味方につけることで、作曲でもかなり有利になります。

次に、キーボードについて。
コード弾きを覚えたら、作・編曲で楽曲を組み立てていく際に、やはり大きな武器となります。
というのは、コードと作・編曲は密接な関係にあり、メロディにコードを付けて編曲していくというプロセスで、直接的に役に立つからです。
キーボード練習で培われたコード感は、作・編曲時の幅を広げてくれること請け合いです。

最後に、ピアノ、キーボード双方共通のメリットについて。
パソコンに接続した鍵盤から入力する作曲法は、マウスで入力していく方法より早く打ち込めますし、いわゆる"ベタ打ち感"が出にくいです。
そして、一般にキーボーディストが実際に弾いて入力、作成された楽曲は、多少楽器の動きが不自然でも、許されやすい傾向があります。

実際には、テンポをゆっくりにして片手ずつ入力、更にはタイミング補正もしていいので、鍵盤練習時ほどの技巧を必要としません。
よって、今まで練習を積んできた人は、スムーズにリアルタイム入力での作曲に移行できます。

以上の理由から、DTM上級者は鍵盤入力を採用している人が多いです。
鍵盤練習からステップアップの一つとしての、ご提案でした。


おまけエピソード

かなり昔になりますが、僕は実習で老人ホームに行くことがあり、そこの食堂にピアノが置いてありました。
事前に音楽療法のプログラムを見学させて欲しいと頼んでいたこともあり、少しピアノをやっていると職員さんに話したところ、利用者さん達にもいいだろうから弾いて欲しいと頼まれました。
当時、僕は一人でただの趣味としてやっていただけなので自信はありませんでしたが、弾かせてもらうことになりました。
結果的には"エリーゼのために"を練習のときより上手く弾けて、拍手を頂くという貴重な体験をさせてもらいました。
それから随分経ちましたが、今では作曲時に前述の鍵盤入力をやるに至りました。
ピアノに限りませんが、趣味でも積み重ねでちょっとずつやっていたら、いつ役に立つか分かりませんよ、というお話でした。


-文化・芸術
-, , , , , ,