文化・芸術

茶道 - 和の心を味わう

茶道画像

日本に中国の宋からお茶を持ち込んだのは鎌倉時代の僧である栄西(えいさい)と言われています。
そして、室町時代には村田珠光(むらたじゅこう)という茶人が、後に「わび茶」と呼ばれるものを創始します。
更には安土桃山時代、現代の茶道を確立したのは、ご存知、千利休(せんのりきゅう)。
利休は茶の湯を通して大きな発言権を持つに至りましたが、それゆえ豊臣秀吉に切腹を命じられてしまいます。
今回は、その時代から続く文化である茶道について。
伝統文化ということで敷居が高いと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、気楽に読んで頂ける記事となっています。
茶道に関する基礎知識と雰囲気、学ぶことで得られるメリット等をお伝えしていきたいと思います。


この記事でわかること

  • 茶道の流派
  • 茶道で学べること
  • 茶道で楽しいこと
  • 道具へのこだわり
  • 茶道体験での留意事項


茶道の3大流派について

茶道には大きく3つの流派があり、表千家、裏千家、武者小路千家の三千家です。
千利休の孫である宗旦(そうたん)の、3人の子から分かれてそれぞれ始まりました。

表千家(おもてせんけ)は古くからの作法を忠実に守っており、茶道を「さどう」と呼びます。
裏千家(うらせんけ)は時代に合った風潮を積極的に取り入れており、茶道を「ちゃどう」と呼びます。
武者小路千家(むしゃこうじせんけ)は無駄のない合理的な所作を特徴とし、原則として茶の湯「ちゃのゆ」と呼びます。

その他にも、千利休の流れである各流派、それ以外の流派も存在します。


茶道で何を学ぶか

茶道を通して何を学ぶかですが、「おもてなし」や「わびさび」など、古くから培われてきた日本の心を、実際の所作を通して学べるのが大きいです。
忙しくしていたところ、一息ついてお茶をいただいたら心が落ち着いたというのは、誰しも経験したことがあるのではないでしょうか。
そう言った意味で、客先で出されるお茶などは、その流れを汲んでいるとも言えます。
そして、それを伝統文化の域まで高めたのが、茶道ということになります。


茶道で楽しいのは

茶道で楽しいのは、なんといってもその味です。
お茶を点てる人や流派によって、少し苦かったり、やさしかったり……素人が点てたお抹茶であっても、色々な味わいが楽しめます。
そして、お茶には和菓子がつきものです。
若い方だと和菓子が苦手な人も結構いらっしゃいますが、お茶の席で和菓子も食べていれば、雰囲気で美味しく感じるようになったりします。
少なくとも、抵抗は無くなると思います。
ちなみに流れとしては、和菓子を食べてから、お抹茶を頂きます。

そうしているうちに慣れてくると、美味しい和菓子を探してあちこちさまようことになっているかもしれませんよ!


道具へのこだわり

テレビの鑑定番組で出てくる茶器がいくらだったなんてことを、一緒に見ていた人と話題にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際のお稽古では練習用の茶器を使ったりするらしいのですが、例えば年に1回、本当に高価な茶器が出てきたり。
正直、素人が見ても値段がいくらかは想像もつかなかったりしますが、実際に高い茶器で頂いたりすると、いつもと違う味わいが感じられるかもしれません。
値段のことは置いておいて、茶器はデザインが美しかったり、趣深かったりするので、見る楽しみもあったりします。
こんなところでも日本の侘び寂びを感じられたりして、決して他所にはない文化を"見て"味わえます。
それが、日本人のこだわりの一つとも言えます。


茶道体験に行くときに気をつけたいこと

まず、茶器を傷つけたりしないために、腕時計やアクセサリー等は外しておきたいです。
他は、お辞儀にはお辞儀で返したり、相手に失礼がないように常識的な行動を取っていれば、あまり最初からやかましく言われることもないと思います。
そして、それを習いに行くのがお稽古です。
最初から何でも知っているわけがないということは、先生もよく分かっているものです。
先生との相性が良さそうなら、その後も習いに行けばいいと思います。


おまけエピソード

実は、僕の祖母が茶道の先生で、田舎の実家でお茶を教えていました。
元々は和菓子屋をやっていた家なので、お茶との相性も良かったのかもしれません。
お茶の先生といってもそう偉ぶった感じもなかったのですが、地元の女性陣の取りまとめ役を担っていたらしく、お葬式には多くの方が訪れていました。
特に女性の場合は言えると思うんですが、茶道のような日本の伝統文化を学ぶことで、人としての格と言いますか、そういうものを高める特性を感じます。
趣味を通しての自己啓発をお考えなら、茶道は有力な選択肢の一つとして考えられます。
もちろん、男性が茶道の所作に詳しかったりしてもスマートな印象を与えるでしょうし、やはりかっこいいと思います。

祖母が亡くなって随分経ちますが、今でも点ててもらったお茶の味は忘れられません。


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